お得意様。


お得意様・・・・、

この言葉に、日本の商売の原点があるように思う。


対する言葉は、一見様か・・・。


最近の日本の商売の何処が変わってきたのか。

ふと、考えてみると、ここもかなと思う。


アメリカナイズされた、商売の方法といえば・・・。

八百屋、町の商店街からコンビニに変わった・・・。


一見様相手の商売のやり方に見える・・・。


一見様と、お得意様・・・、

何処が違うのか・・・。


毎回、回数を、足を運べば、お得意様になる?

そうだろうか。


良く考えると、経営コンサルタントの説くビジネスのやり方は、一見様獲得に終始しているようにも見える。

代表が、ディスカウント、30%割引券だ。

そして、スタンプカード。

このスタンプカードで、一見客をお得意客にするという企画かもしれない。


しかし、一見客は、10回訪れても一見客。

100回訪れても、お得意客にはならない。


日本のビジネスは、お得意様ビジネスから、一見様ビジネスに変わってきているように思う。




では、一見様とお得意様は何処が違うのか?

足を運んでいただく回数もそうかもしれないが・・・、

実は、回数ではないと思う。


回数を運んでいてくれていた、お得意様客だと思っていたお客様が、

ある日、突然来られなくなる、という事態が発生する。

理由を、あれこれと考えてみるが見当たらない・・・。

いくら悩んでみても、反省しても、来られなくなった理由は見当たらない・・・。


こんなことは、あると思う。


来られなくなった理由は、簡単だ。

それは、このお得意様だと思っていたお得意様は、

実は、お得意様ではなく、一見様だった。

と云う理由だけだと思う。


そのお客様は、10年来、来て頂いていた・・・。

というお嘆きは、よく聞く。

しかし、そのお客様は、10年間一見様だったに違いない。


だれでも、10年の付き合いは、一見客でなくて、得意客だろうという。

しかし、結果は、そのお客様の最後の行動は、まさしく、一見様客の行動に等しい・・・。


一見様は、ご自分の都合だけで動く。

10年通っていただいた一見様は、10年間、その一見様にとって都合がよかったに過ぎない。

11年目に、都合のよい店ができた、だから、そちらを、利用され始めた、

と云う事のほか、来店されなくなった理由は無い。


コンビニを考えると良く解る。

コンビニには、お得意様客は一人としていないかもしれない。

それは、より便利のよいコンビニが出来たら、そちらへ変わる。


日本のビジネスは、お得様ビジネスから、一見様ビジネスに変わってきたのだとつくづく思い知らされる。

良く言えば合理的だが、悪く言えば冷たい社会を作っている。


お得意様商売。

これは、本来の日本の商売のやり方だと思う。

心温まる、心の通うビジネスのやり方だと思う。


お得意様は、銭金を言わない。

本当のお得様は、そのお店のファンでもある。


近所にどんな競合店が出来様が、足を運んでくださる。


昔の理容室には、こんな、お得意様ばかりが溢れていたと思う。

しかし、その構造は崩れてきているような気もする・・・。


それは、なぜか?

経営講座なるもの、コンサルタントなるものの、銭儲け主義の結果だと気付かされた。

技術仕事は、本来、仕事の性格上、物品販売とは異なる。

ビジネスの主流は、一見様商売のやり方ではなく、

お得意様商売のやり方の方が似合っている。


つまり、30%のディスカウントでもなく、スタンプカードでもない。

お客様との、心の通い、絆が大事ということになる。


お客様を幸せにしてあげることができるのが、技術仕事の最大の良い所だと思う。

理容室なら、

男前にしてあげることができる。

若くして差し上げることができる。

男らしくして差し上げることができる。

気持ちよくして差し上げることができる。

こんなことをしていただいたなら、一見様客も一見ではいられなくなる。

帰り際には、もう、そのお店のお得意様に間違いない。


日本のビジネスの良い所が、

銭儲け主義に押し流されている現実は、寂しいと思う。


しかし、

実は、どちらが儲かるか?

一見様商売か、それとも、お得意様商売か?

実は、お得意様ビジネスの方が、儲かりますよ、

と云う事を、お伝えしたいとも思ってもいます。

お金は後からついてくる、といわれるとおりだとも思います。


現に、繁盛店の多くは、お金を追っかけてはいないと思う。

ひたむきに、お客様の幸せを追っかけて来られた、その結果だと感るこのごろです。


特に、技術を売る仕事は、一見様ビジネスをやり続けると、

徒労感ばかりが残る・・・。

10年たっても、20年経っても、充実感も、お金も貯まらないかもしれない・・・。


人間関係をわずらわしく思い、

簡単にあっさりと、金儲けになる、一見様商売に引きづられて来た。

その結果、金儲けにもならない、

そして、人間関係は壊れ、

いつのまにか、冷たい社会に浸かっていた・・・。

こんな思いも、心のどこかにあるかもしれない・・・。



本来、技術仕事は、お客様を幸せにすることができる、すばらしい仕事。


この思いが、大切だと・・・、

その先に、繁栄と、

幸せがある・・・、と


今更ながら、痛感させられるこの頃です。






ありがとうございました。