水、ペットボトルの買占め、買い漁り。

水の買い漁りが、地方都市広島でも、横行し始めた。

娘のバイト先のショップで、個人で12箱も買い占めた方が居られたそうだ。

驚きにも軽蔑にも似た雰囲気があったのではないか、とは感じてはしまったが・・・。

TVで「冷静に」、「冷静な行動を」と呼びかければ、呼びかけるほど、買占めは大きく広がっていく、皮肉な結果を生む。

そもそも、「冷静に」の解釈が人それぞれだということを証明している。買い占める人は、冷静に判断して、12箱必要だから買いましたということだと思う。

ということはTV局の呼びかけ方は、適切であるかどうか、が問題かもしれない。TV局が考えている常識人ばかりはいないということになる。

もし、買い漁りを、止めたければ、買い漁りは、恥ずかしい行為だよとまで、説明してあげなければ通じない人達が多いということになる。又は、それを100も承知で、自分さえ良ければそれでよいという人達が増えているのかもしれない。

助け合いは、自分の幸福の立場を確立させて、余力があれば、助け合いなのだろうとも解釈できる。自分に不幸が襲って来ようものなら、他人のこと等、知ったことでは無いと言う事かも知れない。

規制緩和から世の中は完全に変わったと思う。

それは、ものの考え方が、根底から変えられてしまったからだ。サラリーマンの方には、この感覚は解り難いと思いますが、商店主、零細企業の個人会社の人達には、身にしみて、お解りの事だと思います。

規制緩和で、市場主義に完全に移行しました。市場主義は、100%、人間の欲を利用した、経済活動の方法です。これの意味するところは、個人の人間の欲を自由に出しても良いよ、それどころか、経済の為に、出しなさいという主義なのです。

この主義は、経済は確かに、手早く、手短に活発になるでしょう。そこには何の教育も必要としないわけですし、人間の本能に基づき、欲の本能のまま、わがままでも何でも良いから、商品を買って、経済を活性化しよというものです。だから、政府にとっては、コストも掛からず、簡単に賛同も得られ、特に、小さな政府を目指すのには好都合なわけです。

これで、欲による、行動パターンが奨励され、その経緯は劇的に社会構造を変えてきました。

貧富の差は拡大してしまいました。

我こそはと、欲の勝負に出た人々は、大資本の前に敗北の憂き目を見る羽目になりました。

市場主義こそ、アメリカンドリームであり、一攫千金のビジネスチャンスであり、平等な民主主義である、というのは、幻想だということをまざまざと見せ付けられました。

大資本の前に、零細資本は、吹き飛ばされます。弱肉強食の世界そのものとなります。

それはともかく、市場主義の、人間の心に及ぼした影響は、民主主義、自由平等をも狂わしました。

それは本能だ、と云われれば、反論するのは難しくなります。本能の多くは肯定せざるを得ませんが、こと、欲の本能に関しては、野放しにすると、自由という言葉を履き違えることになります。

繰り返しになりますが、市場主義は、欲の本能を開放していますが、これが、今回の買占めに繋がっています。

知性ある人間社会では、この欲の本能だけは、やはり、コントロール下に置かれるべきなのです。

なぜなら、人間だけが、この物欲が特出しているからです。一般的に動物の物欲は、足りれば、収まります、終わりです。人間の物欲は、足りるを良しとせず、無限に欲を追いかけます。必要でなくても欲しいと、欲の本能は止まる所を知りません。

富を持つ者が、更に富を追いかけ、手に入れようとする、昨今の経済活動の根底を成す、市場主義です。

それの片鱗、一片が、こんな、未曾有の大災害の渦中にある、日本に、自分のことしか考えない、冷たいと見えるほどの行動を起こす、根底を流れている思想だと思います。

目先の出来事は買い漁りですが、根底には市場主義という資本主義の源流があると思います。

矛盾していると、感じていただけましたでしょうか。

規制緩和の前の日本は、社会主義的民主主義と云われていたと思います。そこには、欲の本能をコントロールする、抑えるシステムがあったと思います。和気藹々、仲良くが根底にあり、ビジネスは戦争だとか、格闘だとかとは、誰も、思っていなかったと思います。みんなで豊かになるだったのです。

今の日本、ビジネスは弱肉強食で、弱いものは食べられる仕組みに成り下がったと思います。かつての暖かい社会とは、対極に向かっていっていると思います。言い換えれば一人で金持ちになるの方向です。

繰り返しになりますが、こう云うと、ならば、我こそはという夢の中の人が後を絶ちません。ビルゲイツが成功したのも、ホリエモンになることも、宝くじを当てるより遥かに、遥かにを10乗した位難しい、アメリカンドリームというのが、現実です。

アメリカの財産は、上位10%の金持ちが70%の財産を所有し、残り90%の人達が、わずか30%の中で生活しているわけです。これ程の貧富の差があるわけですが、日本はそれを追随しているわけです。

買い漁り現象、市場主義の成れの果てともいえます

しかし、そうとはいえ、まだまだ、嬉しい事は、日本の良かった頃の名残も多く残っています。



ありがとうございました。